サテサテ。今日は粉雪がちらついてたりしましたが。

昨日と同じくらい良い天気でしたね。今日は仕事だったのであんまり見られなかったけど。



で、ですね。今回の内容は非常に重い物になります。なので

あえて言いますが、楽しみに読むものじゃないです。でも

私の人生の中で避けて通る事の出来ない出来事。だからあえてここに書き記します。



夏の初めにちょっと不思議な恋をして。それは形になる事は無かったけれども。

日々は変わらず過ぎていくもので、嫌でもまた寮と仕事場の往復の毎日。

仲良くなった運転手さんたちとの会話の中で、憂鬱な気持ちを紛らわしたりして。


そう、確かそれは就職して初めてのお盆休み。


その頃、徳之島で生活すると言ってたはずの母親が、私の兄に説得されたらしく

生まれ故郷の大阪に戻ってきていました。


お盆休みという事もあったので、久々に母親とのんびり話しでもしようかと

家に行ってのんびりしていたのです。



まあ、それでもせっかくの休みだし行った事の無いところへ出かけてみるかな。


なんて、珍しく行動を起こす衝動にふと駆られたりして。

で、一度ぶらぶら歩いて見たかった京橋へと行ってみようと思い立ったわけです。



とはいうものの、何処へ行こうと決めていたわけでも無いので電車を降りて

駅を出て、ふらふらと歩いてたんですよね。

大きなゲーセンとか、駅前のにぎわっているところを覗いたりして。



そうしてると、不意に誰かに声をかけられて。


見ると、ちょっと怪しげなおっちゃんが。


お兄ちゃん。暇してるんかいな?となれなれしく声をかけるおっちゃんに

ちょっと、嫌悪感を感じつつもまあ、実際暇だったので少し付き合うことに。


で、まあそのおっちゃんは、客引きのおっちゃんだったわけで。


よっていってみいひんかあ?と。


まあ、今思えばぼったくりとかそんな怪しげな雰囲気にちっとも危険を感じずに

よく言われるままに入ってったものだなあって。



ま、かなり赤裸々に書きますが

その店は風俗店だったのですがね。


なんか投げやり気味だったのもあって、まあいいか。と気楽に入ったんです。



席に通されて、どんな人が出てくるのかなー。ってなんか変に緊張したりしてね。



で、出てきたのはこれと言って特徴があるわけでもなく普通の女の子。

あまりに普通でちょっと拍子抜けするくらい普通。



んで、隣に座ってしばらく話をしていて。


別にその店の中でする行為そのものについてはどうでもよかった。

ただ、なんともいえない淋しさを紛らわす為だったから。話をしてるだけでも十分だった。


ひとしきり話をして、まあそういう店は時間が決まってるから

女の子は、本来の目的のはずの行為をしなくていいの?としきりに気にしていたけれど


ヘンな話かもしれないけど、別にそれがしたくて働いてる子が居るわけじゃないって

思ってたからね。まあ楽してお金稼ぎたいとか、はたまた色々な事情で仕方なく。とか。


なんかそう言う風に考えると、その気が起こるわけもなく。


だから、別にええんよ。ってそう言うとその子はどうしようかなって困惑してたな。

そういう客は珍しいって言ってたけれど。



で、時間が迫ってきてそろそろ帰る準備しようかなと思っていると

ゴソゴソと、自分の名詞に何やら走り書きをして、その子が渡してくれたのは

自分の電話番号と、暇がある時に連絡してくださいって書いてあるメモ。



まー、若かったのかな。

今なら、何の魂胆があるんだろう?とかって勘ぐっちゃいそうだけどね。

そのときは単純に、ありがとうって受け取っておいた。



しばらくして、その事を思い出して電話してみた。


で、当時出来たばかりだった、大阪の新今宮にあるフェスティバルゲートという

テーマパークへ行って見たい。というので付き合うことに。


まっ、正直何かねだられるかなあ。とかちょっと思ったりしたけどね。



当日。


今じゃそんな面影も無いけど、凄い人。混雑していてね。フェスティバルゲート。


確か、一番上の階にビルの外側に飛び出すジェットコースターがあって。それに

乗りたいって言ってたけれど、順番待ちの時間が長すぎて結局諦めたのかなあ。


ふらふらと二人であっちこっち覗きながら歩き回って。楽しかったな。普通に。


特にアレが欲しいこれが欲しいなんて事もなく。


ま、楽しい時間ってのはあっという間に過ぎてしまうもので。夕方になって

私も仕事の予定があったし、彼女も仕事の時間が迫っていたので、駅でお別れ。

また、会おう。って言うと。楽しみにしてるね。と。純粋にうれしかったかな。


そういう、極々ふつうなデートっていうものは、初めてだったかな。

なんか、楽しかったなあって思いながら帰ったような記憶が。



それから、行くのは初めてだったけれど、難波で買い物したいから付き合って。とか

もののけ姫が見たいから映画舘行こう!とか。

でも、その時女の買い物に付き合うのはこりごりだって思ったけれど。長いから。

このときも、何か買ってとかそういうものは一切無し。というかそう言うこという子じゃなかった。



何度かそういう風にあって、付き合いだしたのは10月の終わり頃だったのかな。


彼女の仕事のこととか、抵抗が無かったといえばウソになる。

正直やっぱ嫌だなって思った。でもそれ以上に一緒に居るときの自然な彼女が

好きになっていた。変に古風なところがあったりして。


普段人からシャオさんは強いね。落ち着いてるね。大人だねって言われるのに

その子にはよく怒られたなあ。


アンタそれはアカンやん!って。この私にアレだけ強気に物を言ったのは

後にも先にも彼女だけかな。全然嫌じゃなかったし、むしろ色々学んだ事もあった。



そんなこんなで、周に一度しかあえなかったけれども、ゆっくり時間を重ねて。



初めての、クリスマスを目前に控えて


全然やる気の出なかった仕事も、すごくやりがいを感じるようになっていて。


何をプレゼントしたら喜ぶかなあ?どういうものがいいのかなあ。なんて

そんなの初めてだったから、彼女の慶ぶ顔を思い浮かべるだけで、とても

幸せを感じることが出来た。それ以外余計な事も考える事もなくて。


ただ、純粋に少しだけ未来の事を考えながら。夢中で走っていられた頃。


プレゼントを決めて、会社が終わってから急いで買いに行って。閉店ギリギリ。

何せ十二時間以上の労働時間だから、時間が無かったんだよね。


そう、プレゼント用に店員さんにお願いして、綺麗に包装してもらっている間も

店員さんが、プレゼントですか?ってほほえましく聞いてくるその言葉も。

全てが幸せな時間だったなあ。そうです!とか言う私の顔は緩んでいたはず。



Bzの、いつかのメリークリスマスという歌。まさにそのまんまだよね。


なるべく、聞かないようにしてきたけれど。この間テバとさちょんとカラオケに行った時

久しぶりに、その歌を聞いたかなあ。


いつまでも手をつないで歩けるような気がしていた。


ただ単に、何を恐れる事も、疑う事も無く。


ああ、でもね。さちょんがテバにその歌を歌って~と言ってる様子がとても幸せそうで。

そう思えたから、きっと私は過去の呪縛から少し開放されたんだろうなって今は思う。

いいなあ。ってそのままずっと居られたらいいね。と心から願えるようになった事。

それは少しずつ忘れて行っているという事にも気づかされながら。それを受け入れる事に

抵抗しなくなってきたという証なのかもしれない。



そのプレゼントをとても喜んで受け取ってくれた。だから私も幸せだった。

初めての、恋人と過ごすクリスマスだったしね。


それからも、週に一度の時間だけを楽しみに頑張っていた私。

ところが、彼女が事情で実家に戻る事になってしまって。



少し、距離は離れてしまうけれど気持ちは変わらない。それは今でもそう思う。


彼女のお兄さんと話をしたのもそんな時期だったかな。

不意に彼女が電話をかけて、変わってって言うから何事かなと思ったらお兄さんだった。


妹をよろしくお願いします。ってとても丁寧に言われて。こっちが恐縮しちゃったなあ・・・。

近いうちに会ってね。って言われて。それがまたうれしかったかな。



そう。


あと3年。どうなってるか分からないけれど

お互い今のままの気持ちで居られたなら、結婚しよう。


他愛も無い、幼稚に見えたかも知れない。でもちゃんと本気だった。

照れたように笑いながら、そうだねってうなずいてくれたのがうれしかった。


彼女の仕事とか事情の事、それについて私は口を挟んではいけない。


彼女には彼女の、私には私の事情がある。同じ空間に居ないときに相手を束縛しても

仕方が無い。



今思えば、ある意味冷たいかもね。そんな考え方をしていた私は

彼女が実家に戻ってからも、それまでも自分から電話したりすることはほぼ無かった。



うん、冷たいよねやっぱり。それは今だからそう思えるけど。その当時はそれが

私の精一杯の思いやりのつもりだった。


深く入り込まず。何も言わず。



それから一年。



それは大晦日の日だったかな。会社の忘年会があるからどこそこに集合って

話があって。まああんまり行きたくはなかったけどしゃあないかと、準備していたら

不意に電話がなって。


今から会えないかなあ?って。電話で話はしていたものの、会うのは1ヶ月ぶりくらい。


私を驚かせようと思って、と無邪気に笑う彼女に、それまでにちょっと心にあった

色々な悩み事とかが吹っ飛んじゃって。


会社の忘年会に行くのをキャンセルして、待ち合わせの場所へ急いだ。



お正月、一緒に過ごそうとおもってね~。そう言う彼女が愛しかった。



ちょうどいい機会だから、母親に紹介しようと思って、そう告げると

ぜひあわせて欲しい、というので実家へ向かったのだけれど、どこかへ出かけていて留守。

ケータイとか持ってない人だったから、連絡取れずに諦めて


二人で初詣とかしながらお正月を過ごしたのかな。


たった数日の事だけれど、夜眠る時も朝目覚めた時も彼女が隣に居る。そんな時間が

重なる事をとても幸せに感じた。いつかずっとこうして居られたら。そう思った。



そして、実家まで車で2時間ほどかけて送って行って。

もうすぐ二十歳だよね。成人式とか出るの?なんて会話をして。



そして、また近いうちに連絡するよ。って言って別れた。



なのに私は、相変わらず変に格好つけて連絡する事をしなかった。

色々忙しいだろうし、落ち着いたら連絡くれるだろう。そう思って。



連絡は無かった。


一週間過ぎて。一ヶ月過ぎて。


流石に私の方から連絡してみたけれど、電話が通じない。



ああ、他に好きな人できたかな。それならそういってくれればいいのに。

それか、ただ単に遠距離がしんどくなったかな。俺飽きられちゃったかな。なんて

そんな風に考えていた。


なんとなく、気持ちが入らなくて仕事にも集中できない日々が続いて。



そんなある日、不意に一本の電話が。


知らない番号だったし、どうしようか迷ったけど出てみる事にした。



「もしもし?失礼ですが○○さんの電話であっていますか?」


電話の向こうから聞こえてきたのは、どこか疲れた感じの女性の声だった。

私の番号だったので、そうですと告げると


「あの突然のお電話ごめんなさいね、私、○○の母で○○と申します。」


それは、彼女のお母さんからの電話だった。



心に、なんともいえない、砂交じりの泥水を口に含んだような嫌な感覚が走ったのを

今でも忘れられない。



彼女が、地元の友達と新年会があると出かけて行って、そのまま友達の運転する

飲酒運転の車で事故に巻き込まれたこと。


意識が戻らないままに、息を引き取った事。


お母さんが話す内容は、私には受け入れることの出来ない内容だった。



彼女の遺品を整理していたら、私の電話番号と名前が書いてある手帳が出てきた事

彼女のお兄さんが私の事を覚えていて、直ぐに連絡するようにと告げてくれた事。



電話越しに聞こえる時折涙声になるお母さんの話を、返事も出来ずに聞いてた。

そして

私の周りの世界の時間の流れが、止まった。




私以外の人を好きになって、離れていったなら。

私の事を嫌いになって離れていったなら。


それでも、会うことも声を聞くことは出来なくても、どこかで生きていてくれたなら。


今、きっと私はそれを笑って。そんな事もあったんだよー。って話せたでしょうね。

そして、思い出した時には、幸せになってるといいなと思えたはず。



跡に残ったものは、自分が伝えたくて伝えられなかった気持ち。


ちゃんと連絡しろよって。自分の身体大事にしろよって。酒はほどほどにしとけよって。


いくらでも出てくる。言葉にしないように心に封じ込めていた想いが。



そして、結局何も出来ず守れず、勝手に自分が納得するための理由を考えて

自分に言い聞かせていた事への、後悔。



仕事にも、人生にも夢中で走る力をくれた、そんなかけがえの無い人に


私は何も、何もしてあげられなかった。




この文章の最初に私が警告したのにもかかわらず、最後までこれを読んでしまったあなた。



あなたには、愛する人が居ますか?一緒に居たいと願う人が居ますか?



もし、あなたのそばに居てくれる人が居て、その人を大事に思うなら。



余計な事を考えず、恐れず。ありのままに自分をさらけ出す事を努力してみてください。



私と同じような思いをする人は少ないと思いたいけれど、それはある日突然

何の前触れも無く、訪れてしまうかもしれない。


後悔したくないなら。それより、相手を思う気持ちが確かにあるのならば。

例え、少しかっこ悪くてもさらけ出して。

そして、全力で幸せになってください。


・・・特に、テバ&さちょん。



そして、私は今やっと


もう一度自分の気持ちに素直に、ただ夢中に。歩く事が出来るようになった事。その幸せを。

私のそばに居てくれる人への感謝を込めて。


ありがとう。俺は君を大事に想う。だから、これからも変わらずに居て欲しい。

同じ時間を、ささやかでも幸せに過ごしていけるように。